写真提供:(公財)名古屋観光コンベンションビューロー

🔖:スポット

名古屋陶磁器会館

なごやとうじきかいかん

  • 写真提供:(公財)名古屋観光コンベンションビューロー

  • 昭和7年の「圧」、いまも健在

    施釉スクラッチタイルに半円窓、テラコッタ装飾——ドイツ表現主義を全身にまとった外観は、周囲の住宅街に突如あらわれる異空間。「なんだこれ」が口をついて出るやつ。

  • 床を踏むたびに、アールデコが応える

    伊奈製陶製のモザイク床タイル、幾何学模様の天井レリーフ。1932年からそこにある意匠が、いまも傷ひとつなく残っている。これを「奇跡」と呼ばずして何と呼ぶ。

  • 「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」の刻印が、すべてを語る

    敗戦後、GHQ占領下の日本から世界へ渡った陶磁器たち。その裏印は時代の証人だ。名古屋絵付けの技法と並べて見ると、輸出陶磁器の黄金期がリアルに浮かびあがってくる。

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📝 知っておきたい基本のキ

住所
日本 | Japan 〒461-0025 愛知県名古屋市東区徳川1丁目10−3 名古屋陶磁器会館(旧名古屋陶磁器貿易商工同業組合) Map ↗
HP
https://nagoya-toujikikaikan.org/
定休日
土・日曜日、祝日、12月29日~1月4日
営業/開催時間
10:00~17:00(入館は16:30まで)
入場料
入場無料
備考
駐車場:見学目的の方には、合計2台の無料駐車をご用意しております。

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🔍 ひとこと解説

名古屋・東区の住宅街を歩いていると、突然それはあらわれる。施釉スクラッチタイルの外壁、どっしりとした半円窓、テラコッタの装飾——まるでヴィム・ヴェンダースの映画に出てくる「忘れられた都市の記憶」みたいな佇まいの建物が、ごく普通の一角にある。それが名古屋陶磁器会館だ。1932年(昭和7年)竣工。設計は鷹栖一英、当時の名古屋高等工業学校教授。ドイツ表現主義の影響をまともに受けた立体的な外観は、国登録有形文化財にして名古屋市景観重要建造物。要するに「絶対に壊してはいけない建物」として国に認められた存在だ。
館内に入ると、時間の感覚がやわらかく溶ける。アールデコ調の天井レリーフ、伊奈製陶製のモザイク床タイル——どちらも90年以上前のオリジナルがそのまま残っている。現代のリノベーションブームがどれほど「昭和レトロ再現」に血眼になっても、本物の昭和には追いつけない。ここに来ればそれがわかる。1階の展示室が、また面白い。戦前から戦後にかけて名古屋で上絵付加工され、世界へ輸出された陶磁器たちが並んでいる。なかでも見逃せないのが「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」の裏印が入った碗皿やフィギュリン。GHQ占領期(1945〜1952年)に輸出された陶磁器には、この刻印が義務付けられていた。アメリカのコレクターに今でも熱狂的に収集されているジャンルで、その価値はじわじわと世界で再評価されている。ちいさな碗の裏側に、戦後日本の複雑な空気がぎゅっと詰まっている感じ、伝わるだろうか。
名古屋絵付けの技法解説も充実していて、赤絵・金彩・染付などの技法を実物と図解で確認できる。絵付け教室や転写紙体験も随時開催中。入館料は無料。ひとつ正直に言うと、アクセスはそこそこ頑張る必要がある。地下鉄高岳駅から徒歩20分、名鉄森下駅から15分。でも、これくらい歩かないとたどり着けない場所に、この密度の建物が残っているのがいい。わざわざ行く価値のあるものは、たいていちょっとだけ遠いところにある。

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