旧鹿児島紡績所技師館(異人館)

🔖:スポット

旧鹿児島紡績所技師館(異人館)

きゅうかごしまぼうせきじょぎしかん(いじんかん)

  • 洋館の顔して、中身は江戸の職人

    遠目はコロニアル様式。でも屋根裏を覗けば和小屋組、寸法は寸尺法。西洋を目で真似て、手は日本の道具で組んだ。この二枚舌っぷりが、なんとも粋。

  • 日本の洋館、最初の頃の一棟

    西洋建築が輸入されはじめた黎明期。南国の光を通す開放的なベランダがぐるり。「洋館ってこういうこと?」と手探りしていた150年前の熱が、まだ残ってる

  • 宿舎から世界遺産まで、二度の引っ越し

    技師の宿舎で生まれ、明治には学校の校舎へ。昭和にまた現在地に再移築。慶応から数えて二度も移築されて、行き着いた先が世界文化遺産。建物にも、出世街道ってあるらしい。

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📝 知っておきたい基本のキ

住所
日本 | Japan 〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9685−15 旧鹿児島紡績所技師館 Map ↗
HP
https://www.city.kagoshima.lg.jp/kyoiku/kanri/bunkazai/shisetsu/kanko/048.html
定休日
無休
営業/開催時間
9:00~17:00
入場料
【市民料金】
(一般)個人:300円
(小中学生)個人:150円
(注)市民料金で利用するためには運転免許証やマイナンバーカード、生徒手帳などの掲示で、鹿児島市民であることの証明が必要です。
【市外料金】
(一般)個人:400円
(小中学生)個人:200円

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  • 常設展示
  • 無料駐車場

🔍 ひとこと解説

仙巌園まで来たなら、ここで引き返すのはもったいない。徒歩数分の場所に、日本でいちばん古い部類の洋館がひっそり建っている。旧鹿児島紡績所技師館、通称・異人館。慶応3年、薩摩藩がイギリスから招いた技師7人の宿舎として生まれた一棟。第一印象は、完全に洋館。四方をぐるりと囲むベランダ、白い佇まい、南国の光をたっぷり通す開放感。ウェス・アンダーソンの画面みたいな、左右対称の端正さがある。でも近づいて骨組みを覗くと、正体が割れる。屋根裏は日本伝統の和小屋組、寸法は寸尺法。西洋を目で真似て、手は日本の大工道具で組み上げた。つまりこの建物、当時の職人たちの壮大な手探りの跡。
しかもこの一棟、じっとしていない。技師の宿舎として建てられたあと、明治には鶴丸城跡へ移されて学校の校舎に。昭和になってまた現在地へ戻ってくる。二度の引っ越しを経て、2015年には「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界文化遺産に登録された。宿舎からスタートして世界遺産、という出世コース。建物にも下剋上ってあるんだな、と妙に納得してしまう。
中に入ると、当時の写真や資料が静かに並ぶ。海を渡ってきた異国の技師たちが、ここでどんな朝を迎えていたのか。近代化に賭けた薩摩藩の熱量が、木の匂いごと残っている気がする。騒がしい観光地ではない。館内は撮影に事前申請が要るし、飲食も喫煙も禁止。でも、その静けさがむしろちょうどいい。幕末の空気に浸るのに、これ以上ない場所。仙巌園のついでで済ませるには、ちょっと惜しい一棟。

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