時が止まる青龍寺の蚤の市、ここに極楽浄土あり。青森の「時の市」は、名前の通り時間が止まったような不思議な体験ができる場所。昭和大仏と五重塔が立ち並ぶ青龍寺という舞台設定が、まず最高にグッとくる。5月の連休、桜の季節に全員が和装で迎えてくれるって、なんだか映画の冒頭シーンみたいな特別感。普段見慣れたフリマやマーケットとは一線を画す雰囲気で、まるで「あの日本」に迷い込んだような感覚になる。
出店内容も見事。古き良きものを愛する人にはたまらない蚤の市16店舗に、職人技が光るクラフト79店舗。そして小腹が空いたら32の飲食店で腹ごしらえ。これ、朝イチで行かないと全部回りきれないやつ。「着物さんぽ」なんて体験プログラムもあって、会場内を和装で歩けば、まるで昔の映画のワンシーンの主人公になれる。現代と昔が混ざり合う不思議な空気感は、日常から切り離された特別な時間。これぞ「時の市」の真骨頂。
ちなみに、入場料無料なのに、こんな贅沢な時間が過ごせるのが信じられない...。財布のひもが緩む音が聞こえる気がするけど、それもまた旅の思い出。地元の人との会話も楽しみのひとつ。青森の人の温かさに触れるチャンス。混雑を避けるなら朝イチ10時がベスト。朝日に照らされた五重塔と、朝もやの中で静かにオープンを待つ出店者たち。その光景だけでも見る価値アリです。