松戸の東漸寺参道で月に一度だけ開かれる、このちょっと特別な蚤の市。毎月第4土曜日、JR常磐線「新松戸駅」から歩いて20分ほどのところで、時間が少しだけ違う流れ方をする。普段は静かな参道が、手作りの宝物たちであふれかえるんだ。リメイクされた古着は、まるで前の持ち主の記憶と、新しい職人の想いが混ざり合ったような、不思議な魅力を放つ。手に取ると「これ、どこで買ったの？」って必ず聞かれるやつ。そして答えるのが少し誇らしい気持ちになる、そんなアイテムばかり。
陶器や木工品は、量産品には絶対に出せない温かみがある。ちょっとした歪みや、色のむらが、むしろ愛おしく感じる。おばあちゃんの家にあった昔の食器みたいな懐かしさと、モダンなデザイン感覚が同居してるんだ。参道に並ぶ出店者たちは、みんな目が輝いてる。自分の作品への愛情と誇りを持ってて、話しかけると嬉しそうに製作秘話を語ってくれる。そこで生まれる会話が、実は一番の宝物かもしれない。「これだけ」のつもりが、気づけば両手いっぱいの戦利品を抱えてることになるから。でも、それもこの場所の魅力。後悔するのは買わなかった時だけ、なんて言葉が頭をよぎる。
東漸寺という歴史ある場所で行われることにも意味がある。石畳を踏みしめながら、時代を超えたものづくりの連続性を感じるのは、なんだか特別な体験だ。行くなら朝イチがおすすめ。人が少ないうちに、じっくり掘り出し物を探せる。SNSでの情報チェックは必須。雨天の開催情報や、その日の特別出店者の情報が流れてくるから、見逃さないようにしよう。松戸の東漸寺参道で開かれるこの市は、単なる買い物じゃなく、人と人、人とモノが紡ぐ小さな物語の交差点。行けば必ず何かを持ち帰ることになる。それが形のあるものなのか、心の中の何かなのかは、訪れてからのお楽しみ。