青き帯に託された想い 〜 1981年 Mayfield コレクション、その優美なる食器の世界 〜

優美な花々が織りなす英国の薫り - Mayfieldシリーズの魅力に迫る

「このプレートをご覧になってください。まるで英国の庭園から切り取ってきたような、素晴らしい花々の競演なんです。」

手に取ると、28センチという存在感のある大きさながら、ファインボーンチャイナならではの繊細な質感が感じられる。

「この青い帯状の装飾がとても印象的でしょう？その中に描かれた小さな果実や花々が、何とも言えない上品さを醸し出しているんです。」

光に透かすように傾けると、中央の花束模様から縁へと優雅に広がるフローラルガーランドが、まるで踊るように生き生きと浮かび上がる。

「この繊細な金彩の縁取りもご注目いただきたいポイントなんですよ。こういった細部への丁寧な仕上げは、1980年代のロイヤルウースターならではのものなんです。」

格調高き食卓を彩る至高の一枚

「このガトープレートは、実はただの大皿ではないんですよ。当時の英国の食文化、特にアフタヌーンティーの伝統と深く結びついているんです。」

手元でゆっくりとプレートを回しながら、その用途について説明を続ける。

「1980年代から90年代の英国では、伝統的なティータイム文化が再評価されていた時期だったんです。このプレートは、そんな時代の空気を見事に体現している逸品なんですよ。」

ケーキやペストリーを美しく盛り付けるための大皿として、家庭の特別な集まりやフォーマルな場面で活躍したという。

「この28センチという絶妙なサイズ感がまた素晴らしいんです。複数の異なるデザートを優雅に盛り付けることができる。まさに、ティータイムの主役としてデザインされているんですよ。」

匠の技が生んだ芸術的な逸品

「このプレートの美しさの秘密は、実は素材にもあるんです。ファインボーンチャイナという特別な素材をご存知ですか？」

そっと指でなぞりながら、その特徴を説明していく。

「骨灰を含むことで、驚くほどの透光性と強度を実現しているんです。薄くて軽いのに、とても丈夫なんですよ。」

花模様の部分に目を向けながら、製造技術についても解説を加える。

「この繊細な模様は、実は転写技術を駆使して描かれているんです。でも、金彩部分は熟練の職人による手作業で仕上げられているんですよ。こういった技術の組み合わせが、ロイヤルウースターの真骨頂なんです。」

誇り高き英国陶磁器の伝統を受け継ぐ

「ロイヤルウースターという名前、どこかで聞いたことがありますよね？実は1751年創業という、とても歴史のある名門ブランドなんです。」

バックスタンプを指さしながら、その歴史を紐解いていく。

「このMayfieldシリーズは、1981年にスタートしたコレクションなんです。当時の英国では、伝統工芸の価値が見直されていた時期でもありました。」

プレートを慎重に手に取りながら、続ける。

「Made in Englandの刻印にも注目してください。この時期、多くのメーカーが海外生産に移行する中、ロイヤルウースターは品質を守るため、あえて国内生産を続けたんです。」

世界が認めた英国の誇り

「実はこのプレート、単なる食器以上の価値があるんです。ロイヤルウースターは王室御用達ブランドとして、長年にわたって英国の文化を代表してきました。」

光を当てながら、その価値について語り始める。

「特にこのMayfieldシリーズは、現在では製造が終了していることもあって、コレクターの間で高い評価を受けているんです。デザインの美しさはもちろん、その希少性も価値を高めている要因なんですよ。」

時代が語る物語

「1980年代から90年代という時期は、英国の陶磁器産業にとって大きな転換期だったんです。」

慎重にプレートを扱いながら、当時の状況を説明する。

「多くのメーカーが機械化や効率化を進める中、ロイヤルウースターは伝統的な製法とモダンな技術のバランスを追求したんです。このプレートは、まさにその証なんですよ。」

現代に息づく伝統の輝き

「このプレート、今でも十分に活用できるんですよ。でも、いくつか気をつけていただきたいポイントがあります。」

優しく扱いながら、アドバイスを続ける。

「電子レンジや食洗機は避けていただきたいですね。でも、例えばアクセサリートレイとして使ったり、壁に飾ったり。実は現代的な使い方もたくさんあるんです。」

プレートを光に透かしながら、最後のアドバイスを添える。

「特別な日のティータイムに使うのも素敵ですし、お部屋のアクセントとして飾るのも良いですね。このプレートが持つ歴史と美しさが、きっと素敵な空間を作り出してくれると思います。」