まるでタイムスリップしたかのような空間が、秋田の片隅に毎月現れる。「あきたアンチック蚤の市」は、そんな魔法のような場所。「アンティーク」じゃなくて「アンチック」っていうネーミングにも、どこか懐かしい昭和のユーモアが感じられる。
毎月第2土曜日の早朝、まだ街が目覚める前から人々が集まってくる様子は、まるでスピルバーグの映画『レディ・プレイヤー1』の中のトレジャーハントシーンのよう。水戸黄門で見たような印籠や、年代物のカキ氷機なんかは、まさに「映え」という言葉が生まれる前からの映えスポット的存在。
約20件の店舗が所狭しと並ぶ会場には、骨董品、古道具、着物、陶器、レトロなノベルティまで、ありとあらゆる時代のアイテムが顔を出す。これ、完全にときめきが止まらないやつですよね。特に印籠なんかは、まるで『千と千尋の神隠し』の湯婆婆が大事にしてそうな逸品。
雨の日でも開催されるっていうのも、なんだかロマンチック。傘をさしながらの宝探しって、『言の葉の庭』みたいな世界観？マイバッグ持参推奨というエコな姿勢も、レトロとサステナブルが出会う、まさに今どきのセンス。
朝8時から午後2時半までという営業時間も絶妙。早起きして来場すれば、まだ誰も見つけていない掘り出し物に出会えるかもしれない。でも、ゆっくり目に来ても、きっと素敵な発見が待っている。そう、ここは時間の概念すら懐かしく感じられる不思議な空間。
入場料が無料なのも、なんだかほっこり。お金は、見つけた宝物のために取っておける。次回もまた来たくなるのは確実な蚤の市。