この蚤の市、ただものじゃない。毎月28日、埼玉の小さな寺院で起こる小さな奇跡。早朝6時、まだ街が目覚める前から始まるこの市は、古着屋でバイヤーをしている友達が「マジでヤバい」と噂する場所。境内に並ぶ約100店舗。そこには昭和の香り漂う古道具から、思わず「これ、実家にあったやつ！」って叫びたくなるレトロ家電まで。特に着物や和装小物のコレクションは圧巻で、外国人フォトグラファーが目を輝かせながらシャッターを切っている光景もお馴染み。
店主たちがまた素敵。古い櫛を手に取ると「これ、大正時代の職人さんの手仕事なんですよ」なんて、まるで『アンティーク・ロード・ショー』のような解説が始まったり。知らない間に、その道のプロから目利きの極意を伝授されちゃったり。ここでの買い物は、タイムスリップした古物商になったような気分。でも、そこは現代っ子らしく、見つけた掘り出し物をSNSにアップしたくなる気持ちも分かる気がする。だって、こんな文化の交差点みたいな場所、そうそうないでしょ？
ちなみに、常連さんは「朝6時がマジックアワー」って言っている。確かに。まだ薄暗い境内に差し込む朝日の中、お不動様の御利益と共に掘り出し物を探す。これぞ令和の「プチ修行」なのかもしれない。あ、でも車では行けないので要注意。電車で行くしかないのが、また"ちょうどいい"。だって、買いすぎを防止できるかもしれないからとはいえ、帰りは両手いっぱいになってること間違いなし。それくらい魅力的なモノに出会える。これ、絶対に「知る人ぞ知る」から卒業しちゃいそうな予感。でも、そんな予感すら楽しい。それくらい特別な場所。